高精度に関する “輝かしい” 実例

アジアのディスプレイメーカーが、SMD LEDキャリア基板の生産における歩留率100%を、いかに首尾よく最短期間で実現したか

超大作SF映画に出てくるニューヨークのタイムズスクエアや、極東の高層ビルの巨大なLEDパネルは、ワンピースで製造されてはいません。それらはスクリーンとして組み上げられた無数の小さいPCBから成り立っていて、個々のPCBには何千もの照明素子が組み込まれています。

それら小さな基板の寸法は数インチだけですが、何千もの画素で構成され、各画素は複数の小型表面実装LEDから成り立っています。このようなディスプレイには、1平方メートルあたり300万個以上のLEDが搭載されています。

現在、この大型ディスプレイに小型SMD LEDを採用できるメーカーは、世界でもほんの一握りしかありません。そのうちの1社が問題を抱えてファインテック社を訪れました。その問題とは、大型ディスプレイの製造工程における電気試験に合格しないLED不良でした。大型ディスプレイではLEDの数が多いため、たとえ高精度な製造条件下であっても、個々の画素の不良は、例外ではなく、むしろ一般的な事として扱われがちです。そのため、リソースを維持するためにも歩留まりを100％に近づけることが課題でした。

ファインテック社はお客様と共同で、隣接するコンポーネントに影響を与えないように個々のピクセルを修復する、多段階修復プロセスの開発に成功しました。目標は、LEDの欠陥を理由にキャリアプレートそのものを不良にしないことでした。

220µm x 120µmという小さな部品が軽量で扱いが困難であることは、2009年時点において、すでに明らかになっていました。しかし、ファインテック社はこのサイズの部品を扱うソリューションを市場で初めて提案しました。それ以降、処理プロセスは繰り返し、最適化と改善が行われ、現在ではLEDディスプレイのリワークに使用されています。

迅速な対応と顧客志向のアプローチは、ファインテック社のDNAの一部となっています。事前に受け取ったサンプルは片面PCBでしたが、後にお客様がベルリンの研究開発センターに持ってきたものは、実際には両面PCBでした。この分野で25年以上の経験を持つ当社は、そのディスプレイメーカー向けに開発したソリューションを、接触加熱方式からホットエアー加熱方式へと速やかに適応させることができました。これは、お客様と共に最適化した全く新しいアプローチでしたが、新しい課題の発生も予想されていました。ホットエアー加熱下では、回路基板は接触加熱とは異なる種類の膨張が発生するため、ツールだけでなくリワークプロセス全体を再調整しなければなりませんでした。

また、このプロセスにおける最大の課題は、直径100μmの微小なディスペンス(塗布)であり、これを高い繰返し精度で行わねばなりません。このため、ファインテック社では、新鮮なはんだペーストを非常に正確に塗布するための適切な転写ピン形状のスタンピングツールを採用し、お客様のご納得を頂くことができました。

当社の設備の整ったアプリケーションラボ、社内でのツール製造、そしてSMDリワークシステムにおける長年の経験により、我々はわずか4日間で再現可能なソリューションをお客様に提示することができました。その結果、お客様はリワークシステムを購入しただけでなく、完成済みのプロセスも、強力かつ信頼できるパートナーも手に入れることができました。

現在でもファインテック社は、小型SMD LED用の、安全で再現性の高いリワークプロセスを1つのシステム上に完全に実現できる世界で唯一の装置メーカーであり、お客様の生産歩留まりを最適化しています。